2016 年10 月29 日(土)に東京有明医療大学にてリオデジャネイロオリンピック日本代表チームトレーナー4 名による公開講座「トレーナーから見たリオ・オリンピック・パラリンピック ~2020 年に向けて~」が開催されました。
本記事ではシンクロナイズドスイミング日本代表トレーナーの田中 基義先生による活動報告についてお伝えします。
田中 基義 先生 プロフィール
- はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、栄養士
- Brand New Body 代表
- タナカ整骨院・鍼灸院副院長
- 東海大学大学院修了
- 花田学園
- 日本鍼灸理療専門学校 本科 2008 年度卒業
- 日本柔道整復専門学校 柔道整復科 2009 年度卒業
- アスレティックトレーナー専攻科 2010 年度修了
チームの目標
シンクロナイズドスイミングが五輪正式種目に採用されてから、日本は7大会連続でメダルを獲得し、日本のお家芸とも言われるようになっていましたが、2012 年ロンドン五輪ではメダル無しに終わりました。リオデジャネイロ五輪でのチームでは「メダルを奪還する!メダルを日本に持って帰る!」を掲げました。
オリンピック期間中のトレーナーの主な役割
代表チームのトレーナーの役割は、選手のコンディションの調整、怪我の予防、パフォーマンスの維持や、フィジカルコーチと連携してのウォーミングアップ、トレーニング、ストレッチ、及びケアです。それ以外にもビデオ撮影や、ドリンク作りなどの仕事をこなしました。時には選手のモチベーションを上げる為にドリンクボトルにメッセージを書くような工夫をして、チーム全体のムード作りも大切にしていました。
医療職種との連携・役割分担
今回帯同したトレーナーは自身を含めて2 名で、私は「はり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師」、「柔道整復師」、「栄養士」の有資格者で、もうひとりのトレーナーは「理学療法士」、「日本体育協会公認アスレティックトレーナー」の資格を持っていました。そんな中で自分は何ができるトレーナーで、何ができないトレーナーなのか、自分の能力はチームにとってどのような時に力を発揮するのかを考えて、チームドクターや理学療法士の先生方と連携して取り組みました。例えば、筋肉のハリが取れないときには自身がはり治療を行い、動きのチェックは理学療法士にゆだねるといったようなことです。そういった中では日頃からスタッフ間でのコミュニケーションが重要になります。
トレーナーに求められる能力
スキルだけではなく、コミュニケーション能力、忍耐力、情熱、向上心、状況判断能力を含めた総合的な人間力がトレーナーとしての仕事を行う上で必要だと思います。