以前にも掲載いたしました、女子バスケットボールチーム日本代表チームを支えた、伊藤由美子先生。
今回は、昨年夏のリオ女子バスケットボール日本代表チームに帯同された際のお話を伺いました。
帯同されるきっかけは何ですか?
2012年より、JBA(公益財団法人 日本バスケットボール協会)の専任トレーナーとして在籍し、女子バスケットボール日本代表トチームに関わるようになりました。以前、2001年から2005年まで日本代表チームに関わり、2004年アテネオリンピックに参加しましたが、今回、トレーナーとして声をかけていただき、専任トレーナーとなりました。
帯同中、感動したことや大変だったことなどがありましたら教えてください
通常、トレーナーは2名体制で活動しますが、ID取得が困難で1名のみの帯同、他のスタッフも限られていた為、日々の業務が増えて忙しい日々でした。
世界ランキング16位の日本代表チームは、参加チームの中では下から2番目でしたが、選手は幼い頃から夢見ていた最高の舞台で、苦しいけれど格上のチームと互角に戦っている様子は非常に楽しそうで、それを間近で観て感じることの出来たことは、サポートするトレーナーとしては、これまでの苦労も報われ、私自身とても充実した大会となりました。
現在のお仕事の内容お聞かせください
日々、選手のコンディションの確認とコンディションの悪い選手のケアやメディカルリハビリテーション、アスレティックリハビリテーション等コンディショニング指導、外傷・傷害・疾病などの発症時の応急処置、テープなどの物品管理、水分補給の準備や栄養指導、ドーピング指導など選手のコンディショニングに関る全般を行っています。また、所属先チームや所属先学校との連携や、チームドクターとの連携、コーチをはじめチームスタッフとの連携、合宿先・遠征先の情報収集と海外遠征時の時差調整方法の準備が主な内容です。
また、これらの内容は日本代表チーム、ジュニア代表(U24-U16)チーム及び育成部(U14-U12)のJBA全ての活動において同様に関っています。
チームのサポートの中で、常に心がけていることがあったら教えてください。
朝、練習する前に出来るだけ全選手に声をかけるよう心がけています。それは、日本代表チームに関らず、トレーナーとして活動を始めてから行っています。その際、心身の状態がわかることが目的でもありますが、日頃からコミュニケーションを図ることで、選手が早めに身体の異変を訴えやすい関係を保つことも目的としています。また、私自身が心身ともに健康であるよう日々心がけています。
最後に、今後アスレティックトレーナーを目指す方々へメッセージを!
機会があればたくさんのスポーツ現場に足を運ばせ、選手の様子やトレーナーの活動状況を実際に見て肌で感じることをお勧めします!
また、多くの先輩トレーナーに接することで、自身の知識や経験の幅を広げることにつながり、トレーナーとして選手、チームに対してより良いサポートをすることにつながるとおもいます。
Trainer 伊藤 由美子(いとう ゆみこ)
日本鍼灸理療専門学校 昼間部 本科(H6年卒)
岐阜県立女子高校から日本鍼灸理療専門学校に入学
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師。日本体育協会公認アスレティックトレーナー。
高校時代はバレーボール選手として活躍(インターハイ、国体出場)。
資格取得後は社会人女子バスケットボールチーム(富士銀行、荏原製作所)、田渕整形外科勤務を経て、2012年から(公財)日本バスケットボール協会専任トレーナー。
(公財)日本バスケットボール協会スポーツ医科学委員会員。