vol.4 世界陸上競技選手権大会(ロンドン)報告

宮澤 那緒 -Nao Miyazawa-

順天堂大学スポーツ健康科学部 2009年卒業

花田学園日本鍼灸理療専門学校 2012年卒業

花田学園アスレティックトレーナー専攻科 2013年卒業

リキュアセラピールーム所属

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師

(公財)日本体育協会公認アスレティックトレーナー

●活動実績●

2012~15年 順天堂大学 箱根駅伝チームトレーナー

2013年      世界クロスカントリー大会(ポーランド)

2013・15年 世界ユース陸上競技選手権大会(ウクライナ・コロンビア)

2016年      U-23 世界陸上競技選手権大会(ポーランド)

2017年      世界陸上競技選手権大会(イギリス)

activity report

世界選手権では選手のコンディショニングを重点的に行いました。それに伴いドクターやコーチ、その他スタッフと随時連携を取りました。期間は全部で約3週間あり、開催地ロンドンにある大学で事前合宿を約1週間、選手村に移動して2週間弱と長期間の帯同となりました。

世界陸上は選手も目標としてきた大きな大会であるため、選手一人一人から緊張感や高揚感などが伝わってきました。選手がいつも通り競技に望めるようにすることを念頭に、①選手が思い描く動きを共有する、②客観的な身体の状態を伝える、③改善が必要な場合にはその手段を選手と考える、ことを考え、選手の状態を考慮しながら適切なコミュニケーションを取るように心掛けていました。

渡航1週間前にハムストリングスの肉ばなれⅠ度を受傷した選手は、通常の復帰プログラムでは試合に間に合わないと思われました。そのため、選手とだけでなくトレーナー同士・コーチとも意思疎通を図りながら、最善で最速の方法を選択するよう努めました。結果的にこの選手は足の不安はなく思いっきり試合に出場するこができ、ほっと胸をなでおろしました。

選手は大会に向け刀を研ぎ澄ますように身体を仕上げていきます。選手が不安なくグラウンドに立つ、それをほんの少しでもサポートできればと常々思っていました。しかし、大会を終えて振り返ると思うようにできなかった印象です。そのため、選手のイメージを共有できるよう、身体のことや陸上競技のことなどの知識を深めて“引き出し”を多くしたい、そして、より選手の状態や考えにフィットした選択をしたいと考えています。世界選手権は選手と同様に私も行きたいと思っていた大会の1つでした。大会を通して新しいことが見えてきて、今、やるべきことが明確になっているように感じます。信じて進み続けたいと思います。