韓国プロ野球“斗山ベアーズ DOOSAN BEARS”で活躍する藤尾佳史さん

現在、韓国のプロ野球球団 斗山ベアーズ(※)でコンディショニングコーチ・コンディショニング部門トレーニングリーダーとして活躍中の卒業生 藤尾佳史さんに伺いました。

※斗山ベアーズ(トゥサン・ベアーズ DOOSAN BEARS) 1982年韓国プロ野球発足時から存在するチームのひとつ。2015年は21年ぶりの年間総合優勝 、2016年は14年ぶりの公式戦優勝。韓国シリーズでNCを4勝0敗で下し、チーム史上初の同シリーズ2連覇を達成。

 

花田学園の入学前に、医療人を目指そうと思われた理由は…

小学生の頃から、様々なスポーツに関っていましたが、高校生のときに選手生命が絶たれるほどの怪我をしました。なんとしても選手を継続したいと思い、様々な病院に通いましたが改善せず…

苦しみ悩んでいた頃、最後の頼みと鍼灸治療を受けました。選手復帰までの完治はしませんでしたが、今までの痛みが嘘のように改善されました。

高校生のときの私と同様に苦しみ悩んでいる選手を1人でも多く救うことが出来たらと思い、医療人を目指そうと決意しました。

現在のお仕事の内容をお聞かせください…

早朝の運動やリハビリ、選手たち全体のウォーミングを行います。

その後、出場選手たちのテーピングやコンディショニング、ストレッチ、さらにセカンドウォーミングアップを行います。試合に出場しない選手たちのトレーニングやウェイト指導も欠かせません。さらに、試合中に選手に与えられた課題に応じた補強運動も行います。

試合後、夜間は投手陣への補強運動、野手陣へはウェイト指導を行い、一日の最後は選手たちの治療を行なっています。

お仕事のやりがいは…

韓国は日本と違い、とにかく結果重視です。監督やコーチたちはもちろんですが、選手たちも日々結果を求められます。

どんな有能な選手や監督、コーチであっても結果を出せない者は切られる世界です。

そんな環境の中で、一緒に悩み、挑戦した選手がわずかなチャンスを手にして試合で活躍する姿を見ることが何よりの楽しみであり、やりがいを感じるときです。

花田学園の学びの中から、今もっとも役立っていることは何ですか…

身体に関することはもちろん、実習を通して様々なタイプの人にふれ、力の加減や悩みを抱えている部位の違いも学ぶことが出来ました。また、医療人として必要な知識、資質について学べたことも役立っています。

勉強以外でも、社会性を身につけられたことは、私にとって生涯の糧となっています。義務教育や高校生のときとは違い、同級生には年上から年下までの様々な年齢層が集い、世代を超えた友情や意見交換が出来ました。

そういったコミュニケーションの中で培った能力は、今の現場で最も役に立っているといっても過言ではありません。

医療人として、大切な資質は何だと思いますか…また、先輩として皆さんに一言メッセージを!!

施術の技量や技能、知識だけではなく、患者さんと同じ目線に立ち治療が出来ること。

何より大切な資質は、患者さんとの距離を縮めることが出来るコミュニケーション能力だと思います。日本ではなく、韓国にいるからこそ感じたことは、言葉が通じない患者さんとの距離感でした。どんなに技術があっても、患者さんから正確な情報を得られなければ、適切な治療は出来ません。また、こちらの治療法も正確に伝わらなければ、早く治せるものも治せません。

患者さんから正確に情報を聞きだし、正確に伝える能力こそ不可欠な資質ではないかと思います。

コミュニケーションが苦手な方…

どうぞ、「こんにちは。お元気ですか?」からはじめてみてください!!

プロフィール

藤尾佳史(ふじお よしふみ)

平成21年3月  国士舘大学 体育学部スポーツ医科学科 卒業

平成23年3月 国士舘大学院 体育学部スポーツシステム研究科 スポーツ科学コース 卒業

平成26年3月 日本鍼灸理療専門学校 本科卒業

はり師、きゅう師、あん摩マッサージ師

救急救命士